2025年1月-3月

2025年1月-3月

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写真
Published
April 13, 2025
年間の振り返りを毎年書いているわけだが、もう少し短いスパンで振り返りたくなったので、直近の四半期について。
何度か書いている通り、自分の場合は写真や文章を残していくことで人生を積み上げられている感覚を得られているので、であればもっと積極的に残していきたい。そんなことを最近は考えている。
 
 
 

仕事

年末の振り返りの通り、なかなか大変な状況であり、予想通り1-3月の間はひたすらに仕事をし続ける毎日だったが、3月末でいったん一区切りついて楽になった。引き続きやらなければならないことは多いが、土日を気兼ねなく休んだり、長期のことを考える余裕が出てきた。
去年に引き続き、ひたすらに迷い悩み失敗しながら前に進んだ3ヶ月であり、ポジティブなことを言えば本当に良い経験だった。その内容について色々書きたいことはあるものの、個人のブログで書くことでもないなということで、一旦ここでは書かないでおこう。
とりあえず、一息ついたのが本当に何よりという気持ち。人生でトップクラスに大変な時期だったな。
 

仕事が大変で時間的精神的に死んでいたので、気合い入れて外食にいく機会も意思もほぼなかったが、合間合間にいくつか訪問。1月は全く食欲ない時期もあったが、美味しいもの食べると元気がでていいね。

カンテサンス

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食通な大学時代の先輩とその周囲のフーディー達と訪問。他の人はみんな何度か訪れていたらしいが、自分は初。
有名なことだけ知っていたが内実を何も知らずにいたので、なんとなくイノベーティブで前衛的なフレンチかなあとか思っていたが、むしろかなり取っ付きやすく分かりやすく美味しい方向性だった。「素材」「火入れ」「味付け」を追求しているとのことで、素材を追求する方向性はむしろイタリアンや和食に近い印象。単に高級食材を使うのではなく、旬の食材を使う方向性も日本っぽい。「日本的な繊細さとフランス料理の革新性を融合させた独創的な現代料理」と評されてたので、根底はやっぱり日本っぽさがあるね。
一緒にいった人には「イタリアンっぽいすね」って言ったら「ええ?」と言われてしまったので、まあ料理のどこに焦点を置くかによって認識が違いそう。
 
全て非常に美味しかったのだが、あんまり記憶に残っていないのも事実。
初めての人達と美食にいくと、会話で盛り上がってしまって料理に集中できないんだよな。料理に集中するには一人でいくに限る。いや楽しかったからいいけど。
 

Co-Fermentation @可不可 w/Abel Mendosa

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大橋MWのワイン会にまたもや参加。
毎回生産者と大橋MWからありがたい話を聞けて楽しい限りなのだが、より真面目に勉強しようと思い立ち、今回はちゃんと予習してから参戦。Abel mendosaやスペインワインについて事前にChatGPTに質問しまくり、Deep Researchでレポートをまとめて合間時間に読んでから当日を迎えた。ワインの勉強にもAIは便利である。
 
会が始まると、事前の予習のおかげで話の半分は既知のことであり「進研ゼミでやったやつだ!」状態。またもやVIP席配置で大橋MWと生産者のAbelと同じテーブルになったので、日本語も英語も話せないAbelと翻訳アプリを駆使して頑張ってコミュニケーション。AIで色々調べたことを伝えると笑われた。
事前に調べた際も感じたが、Abelと話しているとテロワールを重視する哲学、そして「自分が良いと思うワインを作る」ことへの拘りを強く感じ、そのプロ意識に刺激されるとともに、そんな思いで作られたワインを飲めてありがたい限りという感想。
 
ワインで印象に残ったのはテンプラニーリョ・ブランコ。豊富な果実感とミネラルを感じて自分が好きなタイプでありつつ、それだけで終わらない複雑さや奥行き、独特さも感じられる。自分が好きな南イタリアのヴェルメンティーノとかの方向性に近く魚介に合わせやすい印象でありつつ、しかしイタリアって感じではない味。これがリオハワインかあ(表現力がないときは、その土地の味であるということにして逃げがち)。
「テンプラニーリョ・ブランコを飲むのは始めて」とAbelの奥さんに伝えたら「最初で最後じゃないことを祈ります」というお洒落なお返事。また繰り返し飲みたいね。
 
食体験としての全体の感想はというと、当然ながらワインも料理もクオリティは高いものの、ペアリングの精度はこれまでの会ほどではなかったかもしれない。去年までの会で感じていたコンセプチュアルな要素は今回はあまりなかった。そこで満足度が下がっている自分に気づき、やはり自分は料理だけでもワインだけでもなく、ペアリングの世界観を楽しむようになったんだなあと実感。
そもそも120点なペアリングではなく感じてしまっただけで、当然ながら普通にちゃんとマッチしたペアリングではあったので、なんというか、舌が肥えてしまったというか拘り始めてしまったというか。
 

MAEN@恵比寿

ワイン会で知り合った男性におすすめされたので訪問。長野出身ソムリエと徳島出身シェフの二人コンビによる日本酒ペアリングコースのお店。
日本酒ペアリングは、ワインペアリングでは作れない世界観を作り上げており面白い。それに加えて、料理単体でも日本酒単体でも美味しく、そしてペアリングだと新たな驚きがあるような世界観で、非常にレベルが高かった。
最近はワインペアリングにハマっており、日本酒に対する期待値が正直落ちていたが、思いの外レベルが高くて驚かされた。舐めててごめんなさい。
 

最近の食体験

食体験がアート体験のような感覚を覚えるようなことが多くなっている。レストランのコース料理を頼むのは映画を見るような感覚。全部が満足だったり、前半は微妙だけど後半面白かったり、前情報を入れていくと楽しかったり、体験した後に誰かと語り合いたかったり。
そして、感動した時はちゃんと言葉にしたくなる。良い映画見た時に「ヤバい!良かった!」しか言えないのは嫌で、どこがどう良かったのか、何が自分の琴線に触れたのか、自分はどこに感動したのかを、事細かに自分の中で整理したいし、誰かと話したい。それができると楽しい。
そのために、もう少し食や酒の解像度をあげていきたい。そんなことを考えている最近。

読書

倒産した時の話をしようか

こんな本を読んでるのはお察しすぎるのだが(倒産してません)、とても良本で本当に元気付けられたので、ここでも紹介しておきたい。
この本の良さが端的に的確に詰め込まれている一文を引用。
経営というのは答えも終わりもない旅です。答えがない問いに答え続け、終わりのない、先の見えない道を歩み続ける。そんな中で経営者がメンタル不調に陥らないために必要になるのは、答えがない中でも前に進み続けられる葛藤耐性と、「今」「自分」「課題」に焦点を当てすぎることのない俯瞰した視座、自身のバイアスや盲点に気づくことができる冷静な視点です。 そして、これを高い水準で保ち続けることは一人では困難です。人を頼る力、対話する姿勢。誰かに受け止めてもらうことで安心を得て、対話を通じて自分のバイアスに気づき、新たな視点が開かれる。「一人ではない」と思える環境と関係性作りこそが、経営者の心を支えるのではないでしょうか。
経営に正解はない。一歩踏み出して大きなことをしようとすると、関係者全員を120点満点で全員幸せにするような綺麗な道は歩めない。そんな中でリーダーであり長たる社長がやるべきことは、正解を探し続け歩み続けること、その意思と理想を周囲に示し続けること、自分や誰かを傷つけ泥にまみれることを厭わないこと、すなわちそれでも未来に向かって進み、最終的に全員を幸福にすることである。
これはいうは易しであり、特に自分の場合は今の課題や過去の失敗に焦点を当てすぎていたが、そんな時の人の助けは心に沁みた。そして、この本のように「仮に失敗しても、大丈夫だよ」というメッセージをもらえるのは、気分を大いに楽にしてくれる。
「経営というのは答えも終わりもない旅」ということを痛感した一年であり、そして人の助けが心に沁みた一年だった。
 

肉食の思想

肉食の思想: ヨ-ロッパ精神の再発見がとても良かった。以下動画でコンパクトに主張がまとまってるので、動画もオススメ。
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ざっくりまとめるとこんな感じ。
  • 東洋(アジア)は米という収穫倍率に非常に優れた作物を育てやすかった。そのため、米を主食とする食文化となった。肉食はむしろ稲作のリソースを奪うので忌避された。
  • 対して西洋の小麦は、実は収穫倍率が非常に低い。1粒の小麦を植えても、2-3粒の小麦になるだけ。そのため、小麦のみを主食とするのではなく、肉食を余儀なくされていた。
  • 肉食のためには、家畜を殺す必要がある。食べるためとはいえ、生き物を殺すのは精神的に辛いことである。その辛さをなくすため、キリスト教は「家畜は神が用意した人間のための食べ物」であると定義した。そのため、西洋人は家畜を殺すことに抵抗がなくなった。
  • 大航海時代、西洋人はアフリカ人奴隷を家畜と同列に扱ったので、非道なことができた。すなわち、自分たち人間と、それ以外の生き物を間に線を引く精神構造が出来上がっていた。
 
地理の雑学ゆっくり解説は非常に良質な解説を面白く動画で学べて良い。この辺もオススメ。
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遠い太鼓 - 村上春樹

気分転換に読んだ。40代の村上春樹がヨーロッパを旅した時のエッセイ集。海外を舞台としたエッセイが自分は結構好きなのかも、と気づいた。仕事ばかりの日常から、非日常を味わえるからだろうか。
同時期に読んだ「パリでメシを食う」も良かった。
 

写真

年始のカメラロールを見返すと、早朝に通勤する時の朝焼けと、オフィスからの夕焼けをひたすらiPhoneで撮っていて笑う。仕事ばかりの生活の中で、一瞬だけ気を抜いていた瞬間だった。
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音楽

カプスーチンのエチュードにハマる。こんな現代的で綺麗でアガるエチュード書いてたのかカプスーチン。
辻井くんの演奏もイケイケ。
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ライブ版は更にイケイケ。
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かてぃん君にも最近ハマっている。腕3本あるでしょこれ。
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かてぃん君、インターン先の後輩という遠い縁で昔から親しみを覚えている。PFNインターン中にピティナ優勝してるのが謎である。