2022年 美味しかったもの

2022年 美味しかったもの

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グルメ
Published
December 30, 2022
もともと美味しいものを食べるのは好きなのだが、予約の取れない人気店や高級店に行くのは、予約が面倒だし成金趣味のようで嫌に感じていた。
しかし特に今年の後半から、「食」は自分にとって「趣味」と言えるくらいには好きなのだし、趣味なのであればちゃんと時間とお金をかけよう、と意識して美味しいものを食べにいくようになった。
こちらの記事で書いた通り、言葉と写真で残すことでより強く記憶に残るので、2022年で美味しかったものを公開しておく。

鮨 在@東京 広尾

2022年の個人的ベストは、何といっても在!
ペアリングコースが本当に凄くて、料理だけでも100点みたいな料理が、飲み物とペアリングすると200点みたいな体験をさせてくれる店。寿司屋でペアリングはかなり珍しいし、しかも日本酒とワインを両方だしてくるのもかなり珍しいと思うが、どちらも本当に合う。ほぼ全ての料理1品ずつ合わせて1杯、計14杯近くアルコールが出てきたので、だいぶ酔っ払った。
今年は美味しいお店にはたくさん行ったし、食べ物の美味しさで120点みたいなお店はあったが、相乗効果で200点を叩き出してくるようなお店はここだけだったなという感想。このお店のせいで、ペアリングがないお店が物足りなく感じてしまっているまである。
 
美味しかったものはたくさんあるが、頑張ってピックアップすると、まず一品目の鰻と栗の蒸し物に舞茸の汁。お酒はシャンパン。濃いめでやや樽香があるシャンパン、栗のほくほくとした甘味、うなぎの香ばしさと塩味、舞茸の華やかな香り。一品目から美味いかつ、フレンチのような重層的で複雑な味わい、そして秋も感じられる凄い一品。和とフレンチが良い感じに融合されていて良かった。
良いフレンチや寿司屋の一品目と一杯目のシャンパンは、この後の料理の期待をグッと上げてくれて好き。
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2品目の名物のズワイガニとバフンウニの寿司。タケマシュラン先生の表現も借りると、1回表の2番打者から満塁ホームランみたいな美味さ。インスタ映えみたいな一品ではなく、ただただ美味しい食材を重ねただけでもなく、しっかりと調和を取りつつ美味しさの暴力で殴ってくるような一品。美味い。
2杯目は黒龍。しっかり熟成香がありつつ、でも軽やかな面もあり、華やかでもあり、食事にも合う。
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4品目。あん肝と海苔の天ぷら。お酒は佐久の日本酒。
日本酒の味が完全にデザートワインw それに引きずられて、あん肝がクリームチーズの味になってしまって笑った。海苔の天ぷらにのせて食べると、比喩ではなく本当にクリームチーズをクラッカーにのせたみたいな味になる。ブラインドで食べたら本当にデザートワインとクリームチーズと答えてしまうかもしれない。
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こんなペースだと紹介しきれないので、適当に写真だけ貼っておく。
 
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ノドグロ。肉汁が大量に詰まった小籠包を口に入れた時のように、口の中に油が広がってヤバかった
ノドグロ。肉汁が大量に詰まった小籠包を口に入れた時のように、口の中に油が広がってヤバかった
最後に赤ワインとエビ。こんな合うの?って感じだった。
最後に赤ワインとエビ。こんな合うの?って感じだった。
 
とにかく全部美味しかった。日本酒ワインが好きな人におすすめ。
 

登喜和@新潟 新発田

登喜和もやはり外せないので書いておく。
新潟駅から小一時間、新発田にあるミシュラン1つ星のお寿司屋さん。新潟で有名な寿司屋といえば兄弟寿司と登喜和と言われておりその一強。ランチで1万円弱のコースを頼んだけど美味しすぎてもう新潟に住みたいまである。
全てが美味しいのは勿論として、それに加えて、新潟の日本酒メインで食事に合わせてくれたり、優しい声色で丁寧に説明してくれたり、大将が名前を覚えていてくれたり、食体験としてもとても良かった。その場の雰囲気もとても良くて、隣の方にいた食通のおじさんと仲良くなって結局LINEを交換した。
 
ここも全部美味しかったが、あえてピックアップすると、新潟の郷土料理のととまめ。いくらといえば普通は醤油漬けだが、これは火を通したいくら。普段と違ういくらの美味しさが楽しめて、そして日本酒にもとにかく合って良かった。
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目の前で火入れしてくれるクロムツ。
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他いくつか写真で。
ネチョネチョ系のアオリイカ。美味い。
ネチョネチョ系のアオリイカ。美味い。
鰆。魚編に春と書いてサワラだけど、旬なのは秋。漢字ができた江戸時代?のときの旬は春だったとか
鰆。魚編に春と書いてサワラだけど、旬なのは秋。漢字ができた江戸時代?のときの旬は春だったとか
白山の甘エビ。新潟だと南蛮エビと呼ぶ。これも味が濃くて甘くて美味しい。
白山の甘エビ。新潟だと南蛮エビと呼ぶ。これも味が濃くて甘くて美味しい。
 
日本酒も美味しかった……。新潟は日本酒も美味しい。
出羽燦々。50%精米の大吟醸としての華やかさ、ワインっぽさはありつつ、米の旨みジューシーさもあってバランスが良く美味しい。空腹で来たのでお腹に染み渡った。
出羽燦々。50%精米の大吟醸としての華やかさ、ワインっぽさはありつつ、米の旨みジューシーさもあってバランスが良く美味しい。空腹で来たのでお腹に染み渡った。
レグルス。身体にすっと入っていくような味。一杯目は白ワイン系の美味しさだったけど、これは乳酸菌飲料系の美味しさ。クエン酸由来の酸味。
レグルス。身体にすっと入っていくような味。一杯目は白ワイン系の美味しさだったけど、これは乳酸菌飲料系の美味しさ。クエン酸由来の酸味。

優勝@金沢

Twitterでバズったやつ。「金沢 寿司 安い」って書くとバズりがち(俺調べ)。
バズを意識して(?)ツイートは簡潔にまとめたが、もう少し補足すると、リプでいくつか言われている通り、ネタの味は完全に一流店並、シャリがちょっとクオリティが落ちるかなくらい。それでも誇張なく本当に美味しかったが。
なぜこんなに安いのか聞いてみると、「普段仕入れているトップラインの魚だけでなく、セカンドラインの魚も漁師さんから買ってあげたいから(漁師さんのため)」「若手の修行の場」という理由だった。それにしても安すぎるので意味がわからないのだが、そこはまあ感謝と共にありがたく頂くとしよう。ツイートにあるIWAについては「赤字なんですよね〜」って笑いながら話していた。すごい。
 
場所は金沢漁港。金沢駅からタクシーで30分程度だったはず。バスは1時間に1本程度ある。
やや行きづらいのと、漁港の周りにはあまりなにもないが、車でぜひ行ってみてほしい。
 

フィルドール@金沢

寿司以外で金沢から一軒。金沢は魚が美味いが、魚以外も美味い。なぜこんなに食の平均レベルが高いのか理由を知りたい。魚が美味しいから、舌が肥えるんだろうか?
フィルドールは食通の友人からも北陸エリア随一の話題店と紹介されたお店。フランス、ニューヨークで修行した若いシェフが、地元の食材や器を使ってフレンチベースっぽい(?)料理を作ってくれる。
 
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店内は7名くらいしか座れない広さ。シェフはワンオペで、優しそうで飾らない雰囲気のシェフが料理の説明をしてくれる。そんな店内の雰囲気が素敵で、コースの中盤からはなんとなく店内の客たち全員で仲良くなり、なんなら隣の二人組と二次会にいった。
振り返ってみて思うが、今年は美味しいお店に出会えただけでなく、そこでの出会いも多くて楽しかったなという印象。
ちなみに先の優勝も、この店で金沢のマダムたちに教えてもらった。食通が集まる店でご当地のグルメ情報を聞くのは捗る。
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141@東京 自由が丘

ラストにこちら。今年一番通ったお店。
料理が全部美味しく、そして俺好みなワインを毎回チョイスしてくれて幸せ。この店のおかげでイタリアンワインが大好きになったというか、俺が好きなのは南イタリア、シチリアとかの魚介に合いますよ〜系ワインなんだなと気付かされた。そして店主の石井さんが優しいかつイケメン。
 
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イタリアンとイタリアンワインは自分にとって「楽しく美味しい」系のジャンルで、どちらかというとビールの楽しさ美味しさに近いなと思う。あんまり深く考えず、旨味!オリーブオイル!塩!美味しい!みたいな味。極端なことを言えば、ラーメンとか側の美味しさ。
これと対極なのはフレンチとフランスワインで、こちらは芸術品の美しさを楽しむような美味しさ。重層的で複雑な味を、頭をフルで回しながら楽しむような味。どちらも好きだし、直近はフレンチが好きになったりもしつつ、好みドンピシャはイタリアンなんだなあという感じ。
 
最近はこういった具合で料理や味に対する自分の中の言語化、抽象化が進んできた感があり、それもまた楽しい。じゃあドイツワインはどうなんだとか、極まってくると寿司とフレンチは近しいところがあるなとか。そういう感想を友人とシェアするのは楽しく、大好きな友人のフードライターが「侘び寂びを感じるワイン、でも派手目で金閣寺みたいな方向(??)」とか言ってるのを聞くと楽しい。
 
今年は自由が丘ワイン界隈でよく飲んでいて、ここでも色々出会いがあってよかった。
 

 
2023年も色んなお店にいきたい。最近はベタに寿司フレンチが好きです。一緒に行く人はいつでも募集中。