2011年3月、インド - その2

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インドの長距離列車

インドの4日目、ジャイプル行きの長距離列車に乗るためデリー駅へ向かう。
デリー駅はかなり広く、自分のチケットのどこに乗り場が書いてあるのか分からなかった。駅を歩いていた車掌らしきインド人に「このチケットのホームはどれだ?」と聞くと、自信満々に「今いるこのホームで合っている。ここで待ってろ」と言われたので待つ。
出発時間に近づき、なかなか列車が来ないなと思っていると、英語のアナウンスで隣の隣のホームから列車が出る旨が流れた。全力で走ってギリギリ間に合う。さっきの自信満々の答えはなんだったのか…??
これ以降、インド人に質問するときは最低5人に質問することに決めた。
 
初めての異国の地の長距離列車。確か6時間ほど乗っていた気がする。日本で言うところの新幹線的な立ち位置の列車だが、速度はそんなに早くない。
日本でも列車の車窓から見る景色が好きなのだが、異国の地で見る景色はまた良かった。流れて行く景色に、その場所の風土とか文化とかを感じるからだろう。集落や畑、林やら何もない広野やらをぼーっと眺めて時間を過ごす。
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途中、何駅かを通り過ぎて気づいたが、到着のアナウンスのようなものはないらしい。駅に到着すると無音で数分停まって、そしてまたゆっくりと動き出すだけ。
目的地に着いたのかどうかも正直判別できなかったため、近くのインド人に声をかけて、この駅に止まったら教えてくれと頼む。信頼できるインド人かどうかは分からないが、保険をかけておくだけマシだ。
それをきっかけにインド人と雑談をしたり、チャイ売りの男がけたたましい声量で「チャーイ!! チャイチャイチャイチャイチャイチャイチャーイ!!」と叫びながら隣を歩いて行ったり。そんなことをしながら、無事次の目的地のジャイプルに到着した。
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インドの子供達@ジャイプル

デリーを出て、ジャイプルにつく。
インド西方地域はなぜか色で例えられる街が多く、ジャイプルが「ピンクシティ」、この後いくジョードプルが「ブルーシティ」、最後に行くジャイサルメールは「ゴールドシティ」と呼ばれている。ポケモンか何かか?
そしてどの街も中央部にどでかい城が残っているのが印象的だ。
ジャイプルのアンペール城
ジャイプルのアンペール城
 
インドの街を歩いていると頻繁に声をかけられる。大人も多いが、特に子供からもよく声をかけられる。そのうち9割は「money please」という言葉で、要するに物乞いだ。物乞いは基本的に相手にしないと思っていたが、100円あげるだけでも彼らにとってはそれなりの大金であり、しつこくせがまれた時に「100円あげるだけで喜んでくれるのに、それを躊躇する理由はなんだろうか…?」と悩んでしまうことも多かった。
結局、最終的には写真を撮らせてもらう対価として10円〜100円程度のお金をあげることが多かった。また、それをきっかけに仲良くなってよく写真を撮らせてもらった。それが正しいことだったのか、そもそも正しさとは何か、未だによく分からないが、でもそれをきっかけに彼らと楽しい時間を過ごせたことだけは確かだと思う。
 
20円のペンを売りつけてきた仲のいい兄妹。使ってみたら5秒で壊れた。
20円のペンを売りつけてきた仲のいい兄妹。使ってみたら5秒で壊れた。
 
兄に書いてもらった現地の言葉。意味は推してしるべし(下ネタ)
兄に書いてもらった現地の言葉。意味は推してしるべし(下ネタ)
 
段ボールで生活する家族の子供。インドの子どもたちは、目の力が強く感じた。
段ボールで生活する家族の子供。インドの子どもたちは、目の力が強く感じた。
 
カメラをぶらさげて歩いていたら「撮ってー!!!」って言いながら集まってきた子供達@ジョードプル
カメラをぶらさげて歩いていたら「撮ってー!!!」って言いながら集まってきた子供達@ジョードプル
 
列車が3時間遅れたが、その場の子供や大人たちと写真を撮って仲良くなった。
列車が3時間遅れたが、その場の子供や大人たちと写真を撮って仲良くなった。
 
インド人は写真撮られるのが大好きで、一眼レフをぶらさげて町を歩いていると「俺を撮ってくれ!」って感じでしばしば呼び止められた。一度は突然目の前にバイクが止まって、何事かと思ってちょっと警戒してたら、「この子を撮ってくれ」と言われてお腹辺りに抱きかかえられた3歳くらいの子供を撮ったりしたこともあった。
言葉は簡単な英語しか通じなかったが、カメラがコミニュケーションの手段の1つになるなと感じさせられた旅だった。
 

日本人と韓国人とインド人で酒を飲む@ジョードプル

ピンクシティ・ジャイプルを出て、お次はブルーシティ・ジョードプルへ。
この町でも色々あったが、印象的だったのは宿であった4人。
 
道ゆく旅人に聞き込みをしながら選んだ宿には日本人男性一人と韓国人女性二人が泊まっていた。なんとなく仲良くなって、じゃあ夜に飲もうかとホテルのレストラン(インドのホテルは屋上がレストランになっていることが多い)に集まり、呼んでもないインド人オーナーもやってきて、計5人で一晩飲み明かした。
韓国人女性たちは少し日本語が話せたのもあり、英語や日本語や韓国語やヒンディー語をそれぞれお互い教え合ったりしながらいろんなことを話した。韓国人たちはなぜか韓国海苔とソジュ(今風に言えばチャミスル)をインドにも持ち込んでおり、インドビールとチャミスルを混ぜて魔改造したカクテルをみんなで飲んで酔っ払っていた。今でも「メールアドレス教えてもらえますか?(女の子を口説く用)」という韓国語を自分は話せるが、それはここで教えてもらったことを未だに覚えているためだ。
 
人懐っこすぎるインド人オーナーと仲良くなった日本人。
人懐っこすぎるインド人オーナーと仲良くなった日本人。
 
仲良くなったメンバーで二日酔い明けの朝に(自分を除く)
仲良くなったメンバーで二日酔い明けの朝に(自分を除く)

ぼったくりキャメルサファリ@ジャイサルメール

 
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青の街ジョードプルを出発して、次に向かうは黄金の街ジャイサルメール。
メインイベントはキャメルサファリ。ラクダに乗って近くの砂漠を旅するツアーで有名な街だ。
しかしこのキャメルサファリはぼったくり詐欺でも有名なツアーだ。通常日本円で4000円程度が相場なところ、その2-3倍でふっかけられるという話が後を経たない。
地球の歩き方や各種ブログを読んでこの事を知っていた自分は、絶対に騙されないぞという意気込みでジャイサルメールに向かった。
 
夜行列車が早朝のジャイサルメールに到着し、改札の外に出るとすかさずインド人のキャッチが声をかけてくる。
「キャメルサファリか?うちは12000円からだ!どうだ?」
はいでた。早速ぼったくりツアーである。思わず「進研ゼミでやったやつだ!」と言いそうになった。
無視して歩いて街まで行こうとすると、キャッチの男はしつこく引き下がってきた。
「いやまてまて。これは詐欺とかじゃない。うちのツアーは本当に良いツアーだからこの値段なんだ。街の中心部まで車で送ってやるから、一旦うちのホテルで話をしないか?」
見知らぬインド人の車に乗るのは避けていたが、まあ他の外国人観光客も乗るようだったので車に乗って送ってもらうことにする。
 
ホテルで話を聞いてると、どうやら本当に良いツアーであるらしい。他所のツアーは近所のなんちゃって砂漠にいくだけだが、このツアーはしっかり遠くの砂漠で、かつ豪華な美味しい料理を出してくれるとのこと。そして話を聞いてあげていると、なんと12000円から8000円まで値引きしてくれた。
とはいえそれでも相場よりは高い。どうしたものかなと思っていると、最後にインド人オーナーは言った。
「お前の他に日本人女子大生が4人来るぞ」
その場で即金を払い、明日のツアーに備えてその日は早めに寝た。
 
 
 

その他の思い出

ここには書ききれないくらい、毎日毎日たくさんのことがあった。
屋台で安くて美味いカレーを見つけるのが毎日楽しかったり。
映画館で映画を見たら間違ってヒンディー語字幕の上映で4時間かかったり。
結婚式に誘われて行ってみたら警備員に追いかけられたり。
 
まだもう少しだけ続きます。